シネマ産業の新動向とは?
筆者は特に日本の映画業界に関心があります。自分の母国ですから当然と言えば当然です。日本には長きに渡る映画の歴史があり、それは世界でも最大・最長の歴史の一つです。2011年には、国内で411本もの映画作品が制作され、それらは興行収入の54.9% 、総額23億3,800万ドルをはじき出しました。日本で映画が制作されるようになったのは1897年のことで、当時初めて外国人カメラマンが来日しました。
昨年2020年は、映画業界にとって非常に困難な激動の一年となりました。これは日本も海外も同様です。パンデミックによって、映画館が閉鎖され、あらゆる作品の公開が延期となりました。
最近になってようやく、再び制作が開始され、映画館が再開されるようになってきました。アニメ映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』は、『鬼滅の刃』という漫画シリーズを原作としており、日本では映画館入場者数の記録を塗り替えました。2020年の最高興行収入を記録したばかりでなく、日本映画界史上における最高興行収入を記録したのです。
2020年公開作・邦画おすすめベスト4
- 劇場版『鬼滅の刃』無限列車編 – 2020年最も人気を集めたアニメ映画。鬼を相手に戦い、自らの妹まで鬼と化してしまった少年を巡る物語で、特に新型コロナウイルス時代ということで、一層観客受けしたのかもしれません。
- 『スパイの妻』 – 第二次世界大戦中のスパイドラマ。黒沢清監督はこの映画で2020年ベネチア国際映画祭の最優秀監督賞を受賞し、国内外で大きな反響を呼びました。
- 『朝が来る』 – 養子縁組をテーマとする映画で、一般市民にはあまり馴染みのない題材ですが、絶対に一度は見るべき作品。
- 『海辺の映画館-キネマの玉手箱』 – 無声映画からアニメまで、この映画には様々な映画の様式が含まれています。タイムスリップした若者三人が、戦争を巡る200年間の日本史を模索するファンタジー映画。